
自然の中に入り込み(自然と)一体となって山や木々を感じ、そしてまた自分の心を感じた。










王文志
ワン・ウェンチー
ワンは嘉義の山林で育ったので自然に対し畏敬の念を抱きながらも自然への憧れは強く、この上なく親しみも感じている。
1988年、ワンは作品「自然の訴え」を通じ、山林への想いを強く表現している。若き日の彼は、慈悲と悪しきものに対する憤怒に満ちた金剛のような心境からスタートした。
それから30年を経て、現在のワンは優しく大らかな心で、山林から受けた感動を大自然の神殿のような美しい作品へと昇華させている。
日本では、
「小豆島の家」、「水のほとりに」などの作品を丹精込めて築き上げた。
オーストラリアでは、
「クゥオンドング ドリーム」、「ウーブン スカイ」を構築している。
タイでは
「方外の境地」の作品が初公開された。
オーストリアでは
「竹の聖塔」で街の夜空を照らしたことで知られている。
また、台湾では、
多様な文化を融合させ、美しき「海の女神」を創り出したたばかりでなく、「森の歌」と「月は綺麗ですね」の傑作を手掛けた。



ワン・ウェンチーのドキュメンタリー
嘉義の山奥で育ったインスタレーション・アーティストのワン・ウェンチーは、竹や籐、丸太など自然の素材を使い、幼いころの山や森の記憶を作品に滲みこませ、人々を自然の中に導く創造力が評価されている。それが高く評価及び認知されたことにより2001年には台湾代表としてヴェネチア・ビエンナーレにも参加した。
このドキュメンタリーは、台湾の山に入って籐や竹を集め、日本に渡って作品を制作するワンの足跡を追っており、作品のみならず彼自身まで、まるで山から現れた精霊のような姿を鮮明に記録したものである。
陳芯宜と江国梁が共同監督を務め、5年の歳月をかけてワンの創作の本質に迫ったこのドキュメンタリーは、台北映画祭をはじめ、複数の映画祭で入選を果たしている。
ドキュメンタリー: 「マウンテン・スピリット」